移動教室前に「初経指導」をしました。
 今年の移動教室は、10月29・30・31・11月1日の3泊4日間実施しました。移動教室の前は、事前の指導がいろいろと行われますが、その中に「からだの話」も行っています。内容は、女子は「初経指導」 男子は、「精通や身体の変化や女子への思いやり」です。どうして別々に行うのかと言いますと、「体の成長」については4年生の保健の授業で男女一緒に学習しますが、具体的な内容については、それぞれに学んだ方がよりいいのではということで別々に実施しています。時間は1時間で、女子の指導内容は次の通りです。
体の変化の秘密はホルモン
月経のしくみ
月経の期間・量について
月経用品のいろいろ
ナプキンのいろいろとナプキンの使い方
ショーツの洗い方
月経中の服装
こんな時の過ごし方
お友達には優しく


 本校は、4・5年の2学年が移動教室を実施します。5年生については、4年生の時にすでに初経指導はしていますが、すでに初経を迎えた子とそろそろ迎えそうな子、さらにはまだまだと思われる子と個人差があるためか、子供たちの受け止め方もそれぞれです。また、1回きりの指導では忘れることもあります。そこで5年生については、2回目となりますが、指導を実施しました。子供の感想のほとんどが、「復習になりました」とか「忘れていたことを思い出しました。」というものでした。繰り返し指導することの必要性を強く感じました。                                                   
感想                         5年 星 亜依さん
 わたしは、4年生の時に月経のことを何度か聞いていました。でも5年生でまた聞けてよかったです。月経になった時の、「ナプキンの使い方」や「ゴミ箱に捨てるときの捨て方」なども具体的に教えてもらいました。先生がナプキンをいろいろ見せてくれました。中にはすごく大きなナプキンがあってびっくりしました。夜用のナプキンもあって、夜も気にならないのもあって便利だなあと思いました。2回目のお話も復習になっていいなと思いました。この勉強をして、よかったと思いました。
 お家の方から
 先生の話をしっかり聞いていることがよくわかりました。きっと「すてきな女の子」になれると思います。お母さんは、安心しています。
4年 奥村美沙樹さん
 わたしは、今まで月経のことなんて考えたことはありませんでした。「ナプキンの捨て方」「取りかえ方」など教えてもらって、いつ初経を迎えてもこれで一安心と思いました。わたしは、いつ月経が始まるかワクワクドキドキです。今日のことは、わたしにとってためになりました。
                                             
 お家の方から
 月経のことについては、自然な感じで話せる時がくるといいな・・・と思っておりましたが、今日は、その良いきっかけを作っていただけたような気がします。親の方も正直どきどきですが、まじめに楽しく話し合えたらいいなあと感じました。

 
☆ 指導後、保護者に啓発したいと考え次の文書を配布しました。

平成14年10月16日
保護者様 初経指導
「ステキな女の子」を終えて 沼津第一小学校 ・保健室
文 責  長橋 美奈子
 
                             
 本日、「ステキな女の子」の指導を4時間目に行いました。以前は、5年生の保健の授業で「初経や精通」についての指導が行われておりましたが、子供たちの心身の早熟化等を考えた時にさらに早い学年で実施した方が適切であるということで新学習指導要領では、4年生に行うこととなっています。本校では、昨年と一昨年度は12月〜1月に実施しております。ただし、これは次のことを目的に指導を行います。
「大人に近づく体」は、4年生の保健の授業で今年度より実施することになりました。
                           
・体の仕組みを科学的に知り、新しい体の変化にとまどうことなく受けとめることができる。
・男女の体の違いを知り、お互いを思いやる心を育てる。
 特に女子につきましては、具体的な対応の仕方も必要になってきますのでそれについては例年自然教室前に行っています。内容は、
     
 体の変化の秘密はホルモン・月経のしくみ・期間・月経用品のいろいろ
 ショーツの洗い方・月経中の服装・こんな時の過ごし方・お友達には優しく
                       
 男子につきましても男性の教諭が、精通や身体の変化、女子への思いやりについてなどを指導します。本日はその指導を男女それぞれに分け、1時間かけて行いました。
 私の頃の性教育(初潮指導のみでしたが)は、どうしても暗いイメージで、身体が成長すると自然になるもの・失敗すると困るものということだけで科学的な面についてはしっかりと教えてもらえませんでした。性イコール語らないもの・かくすものだったように思われます。
 時代が変わり、性情報が氾濫している今こそ 大人達が性を肯定的に受け止め、内容によっては 明るく子供達に語ることが必要であると考えます。子供にとって一番身近な女性は母親です。母親のちょっとした言動で子供達は左右されます。「遅い方がいいよ。」「めんどくさいよ。」などの言葉は是非避けてください。お子様の成長を受けとめ、温かく見守れる言葉を投げかけて頂きたいと思います。そして新しい身体の変化を親子共々喜べるよう話をしてあげてください。最近では、性教育の本や絵本が書店に並ぶようになりました。子供と一緒に読んで感想を話したり、自分の経験から伝えたいことを探したりしてはいかがでしょうか。前向きに誠実に話をしてみてください。子供は、耳を傾け心を開くことと思います。是非「今日の話はどうだった。」から、家庭での性教育を深めていってください。
 
推薦します
こころ からだ いのちの絵本 「 女の子 」
        北沢 杏子 著    岩崎書店

セイリの味方スーパームーン
        高橋 由為子 作・絵 偕成社
 
   
   <資料>
         家庭での性の指導は、どうあればいいの?
 
 性教育は、学校と家庭がそれぞれの役割を分担し、お互いに密接な連携を図りながら協力しあうことで、効果を増すことができると言われています。特に家庭では、その子供にあった指導ができます。
1 ポイントは、
 

  真 実 を・・・・・・本当のことを、わかりやすく、きれいな言葉で。
  にげないで・・・・ごまかさないで、ためらわないで、落ち着いて。
  あわてないで・・受けとめてあげる。経験を話す。喜んで話す。
 
 
2 留意点は
(1)
その場で答えられなかったら、後でもう一度語りかけるように話してあげる。「○○ちゃんにわかるようにお話するのは、難しいから、ちょっと考えさせてね。」 と 話し、後できちんと「この前の話しはね、・・・」という具合に答 えてあげるといいでしょう。
(2)
子供の疑問を素直に受けとめる。
 「○○ちゃんは、どう思う?」とその子の本当に知りたいこと の真意を確かめてあげてください。
(3)
質問や思春期に起こる新しい体の変化を一緒 に喜ぶ。健全な心と体が発達をしてきたことに対し、喜びの態度で接してあげましょう。
(4)
答えをはぐらかしたり、逃げたり、叱ったり、さらには驚いたりしない。 「よく聞いてくれたね。」という態度で接してあげるといいでしょう。
 
   養護教諭のひとりごと  
会話をよくしている家庭の子供ほど、自己主張がしっかりでき、回りに流されることなく生きていけるという報道が最近されました。情報が溢れている時だからこそ、家族で話し合うことが大切なのですね。
 私事ですが、上の娘が今年高校生になりました。子供も成長すると親と話す時間が短くなり、淋しさを感じるこの頃です。なるべく時間を見つけては、話をしていますが、小学校時代がとても懐かしいです。お家の方には、子供といっぱい関われる小学校の時期を大切にしていただき、楽しんで欲しいと思います。そして、これから子供たちは、思春期で心が揺れ動く時期に入ります。どうぞお子さまのよき話し相手になってあげてください。
 
にこにこ保健室